外国通貨のキャッシュバックは値引か(と、外国通貨建て自他共通同額割引券は成り立つか)
キャッシュバックが値引とみとめられることは、定義告示運用基準6⑶イに、
「(3) 次のような場合は、原則として、「正常な商慣習に照らして値引と認められる経済上の利益」に当たる。
イ 取引通念上妥当と認められる基準に従い、取引の相手方に対し、支払った代金について割戻しをすること(複数回の取引を条件として割り戻す場合を含む。)(例 「レシート合計金額の○%割戻し」、「商品シール○枚ためて送付すれば○○円キャッシュバック」)。」
と書いてあるとおりです。
では外国通貨(例えば米ドル)をキャッシュバックするのは、値引きに該当するでしょうか。
該当しないと考えられます。
外国通貨は日本では通貨ではないので、当然だと思います。
とりわけ日本は変動相場制の国なので、外国通貨の価値は日々変わるのであり、外国通貨を現金(日本円)と同等にあつかうことはできないと考えられます。
同様の理由で、外国通貨建ての金額証(たとえば、「1ドル割引券」)は、たとえ自他共通に使えるものであっても、自他共通同額割引券には該当せず、総付規制の対象になると考えられます。
というのは、「1ドル」をいくらと換算して値引きをするかは、共通して使える各事業者ごとに異なる可能性があり、「同額」の割引とはいえないからです。
ただし、そういう理由だとすると、逆に言えば、共通に使える各事業者間で換算する為替レートも、たとえば「1ドル=150円」とか合意すれば、自他共通同額割引券といっていいように思います。
つまり、「1ドル割引券」とは書いてあっても、実質的には150円割引券と同じだ、ということです。
ただ、そういうことをやろうとするならちゃんと表示しておかないと、不当表示の問題になるかもしれません。
つまり、「1ドル券差し上げます。」みたいなキャンペーンをして、「1ドル券」と書いた金券をあげるキャンペーンをして、もらった人がほんとうに1ドル相当の割引(たとえば使う日の為替レートが160円なら160円の割引)が受けられると思っていたら、150円の値引しか受けられなかったら、不当表示だと言って怒り出すかもしれません。
というわけで、目新しいことをしようとするときにはいろいろと見落としがあるかもしれませんので(私もまだ見落としている論点があるかもしれません)、よく頭を使いましょう。
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