指定価格制度における広告宣伝費の負担に関する改正流取ガイドラインの疑問
2026年7月8日、流通取引慣行ガイドラインに指定価格制度に関する規定が追加されました。
その第1部の2⑺③で、再販価格拘束が違法にならない場合として、
「③ 流通業者に対して商品を販売する場合であって、メーカーが、流通業者において当該商品のユーザーへの販売に至るまでに生じる危険及び費用(注5の2)を自ら負担することによる(注5の3)、実質的に見て当該メーカーがユーザーに販売していると認められる場合。
(注5の2) ユーザーへの販売に至るまでに生じる危険及び費用の内容は、個別具体的な事案に即して判断するが、以下のaからeまでは、通常、ユーザーへの販売に至るまでに生じる危険及び費用に含まれる。
〔a~d省略〕
e 在庫保管費用、輸送費用、広告宣伝費用その他のユーザーへの販売に至るまでに生じる費用」
とされていて、注5の3では、それらの費用の一部でも流通業者に負担させるとメーカーが当該費用を負担したことにはならない(つまり再販拘束として違法となる)とされています。
でも私は、広告宣伝費用を負担させたら指定価格制度の例外が適用されないというのは妥当でないと考えます。
パブコメでも同様のコメントが出ていて、15番で、
「「広告宣伝費用」について、専ら、流通業者側の企画(例 流通業者側でのポイント付与キャンペーンや、各家庭にポストインする販促チラシを作るケースなど)で、メーカー側で当該企画に対してコントロール権限を持たない場合においては、当該ポイント費用やチラシ作成費用はメーカー側で負担しないでも問題ないという趣旨でよいか、明らかにされたい。
仮に、上記の場合にメーカー側での費用負担が必要という趣旨の場合、全額負担というのは現実的ではないため、この「広告宣伝費」については、あくまで、「合理的な範囲での負担である」という趣旨を追記いただきたい。(無記名)」
というコメントが、16番で、
「(注5の2)で例示されている「広告宣伝費」は、メーカー等の指示によらず、直接販売者が自らの意思で自主的に行ったものについても、メーカー等が費用負担をする必要があるのか。(弁護士)」
というコメントが、それぞれでていて、これらに対してまとめて、
「御意見のような「流通業者側の企画」についても、第1部第1の2⑺③に場合における価格指示の対象商品の販売のために要するものであれば、当該費用は、通常、ユーザーへの販売に至るまでに生じる費用」に含まれると考えられます。」
と公取委から回答されています。
まず、この回答の、「価格指示の対象商品の販売のために要するものであれば」という部分には、あまり深い意味はないとみてよいでしょう。
つまり、「そんな宣伝しなくても売れた」という抗弁はみとめられないということです。
なので、広告宣伝費用は通常、メーカーが負担すべき費用である、というのが回答の意味ということになります。
しかし、パブコメ15番もいうとおり、メーカーがコントロールできない広告のために再販になったりならなかったりするというのは、合理的ではないと思います。
パブコメ7番でも言及されているEUの垂直的制限ガイドライン(33)(f)(g)では、
「 In light of the above, an agreement will generally be categorised as an agency agreement that falls outside the scope of Article 101(1) of the Treaty where all of the following conditions apply:
〔(a)~(e)省略〕
(f) the agent is not, directly or indirectly, obliged to invest in sales promotion, including through contributions to the advertising budget of the principal or to advertising or promotional activities specifically relating to the contract goods or services, unless such costs are fully reimbursed by the principal;
(g) the agent does not make market-specific investments in equipment, premises, training of personnel or advertising, such as the petrol storage tank in the case of petrol retailing, specific software to sell insurance policies in the case of insurance agents, or advertising relating to routes or destinations in the case of travel agents selling flights or hotel accommodation, unless such costs are fully reimbursed by the principal;」
とされています。
(f)をみると、エージェントが広告宣伝費を負担する義務を負う(obliged to)ことがいけないのであって、義務を負わない自主的な広告は禁止されていません(agent agreement該当性は失われません)。
(g)でも、エージェントは広告に対するmarket-specificな投資をしてはいけない(すると、agent agreementでなくなる)とされているだけであり、パブコメ15番の流通業者独自のポイントやチラシは禁止されていません。
何でも外国をまねればいいというものではありませんが、ここはEUの考え方に合理性があると思います。
まず上述のように、メーカーがコントロールできないことでメーカーに責任を負わせてはいけません。
次に、広告宣伝費は他の費用と異なり、流通業者が必然的に負担しなければいけないリスク(「危険」)ではありません。
その点が、ガイドラインの注5の2がほかにあげるリスクである、
「a 売れ残った場合の危険
b 契約不適合があった場合の危険
c 在庫保管についての善良な管理者としての注意義務の範囲を超えて商品が滅失・毀損した場合の危険
d 代金回収が不能となった場合の危険」
が、いずれもその商品を売るうえで避けがたいリスクであるというのとぜんぜん異なります。
そしてここまで書いて気付いたのですが、a~dはいずれも「危険」(リスク)です。
これに対して、eは「費用」(コスト)です。
これは理論的には決定的な違いであり、両者を同じに扱うのはおかしいと思います。
リスクは、生じるかどうか不確実だからリスクというのです。
これに対して、費用は、発生することがその額もふくめて確実な負担、あるいはすでに発生した負担、という意味であり、ガイドラインもそのような意味で「費用」という言葉を使っていると思われます。
それはとりわけ、「在庫保管費用」と「輸送費用」において顕著です。
この2つについては、「商売のなりゆき次第で多くなったり少なくなったり、場合によってはゼロになったりする」という発想は、おそらくガイドラインにはまったくないと思います。
厳密には、在庫保管費用も輸送費用も、商売が繁盛すれば大きくなるし、繁盛しなければ少なくなる、という意味でリスクといえなくもないですが、この2つの費用については、販売数量におおむね比例して額が増えるので、そいういうものは事業者にとって予測可能であり(たんなる変動費)、リスクとはいわないと思います。
(ありうるとすれば、突然ホルムズ海峡が封鎖になってガソリン代が上がって輸送費用も上がる、というのがリスクといえばリスクですが、ガイドラインはそんな細かいことは考えていないでしょうから、割愛します。)
つまり、「在庫保管費用」と「輸送費用」については、不確実性という意味でのリスクはあまり問題にならないと思われます。
広告宣伝費については、別の意味でリスクが問題にならないといえます。
というのは、流通業者は広告宣伝費を支出するかしないかを自分で決められるからです。
EUのガイドラインでも「unless such costs are fully reimbursed by the principal」という条件がついていて、現にリスクが実現化したときには生じた費用を負担することで欧州機能条約101条の対象外とすることができるとされており、費用の負担者が101条適用の有無に影響することはあってよいと思います(法的評価が経済学的評価に一致する必要はない)。
でも、流取ガイドラインのようにリスクと費用という異質なものを漫然と並列されると、もうちょっと緻密に考えたほうがいいんじゃないかという気がしてきます。
次に、広告宣伝費だけをあえて問題視する理由がないと思います。
広告宣伝費は、商品を売るために必要ないし有益な支出です。
ですが、同じようなものとしては、たとえば、そのメーカーの商品の知識を流通業者の従業員に教えるトレーニングの費用のようなものが考えられます。
EUのガイドラインの(f)で、
「market-specific investments in equipment, premises, training of personnel or advertising」
と並列されているゆえんです。
これらのmarket-specificな投資は、リスクと言えばリスクだと思います。
というのは、その商品が売れなければ投資が回収できないからです。
なので、広告宣伝費も、market-specificなものであれば、リスク投資だといえるかとは思います。
でも、流取ガイドラインには、そのような発想は皆無です。
意地悪い言い方をすれば、「たんに小売業の損益計算書でよく見かける費用項目を挙げただけなんじゃないの?」と言いたくなります。
実際、パブコメ4番に対する回答では、
「広告宣伝費は、在庫保管費用や輸送費用と同様に、商品を販売する多くの取引において生じることが想定されることを踏まえ、事業者における独占禁止法違反行為の未然防止と適切な事業活動の展開に役立てるという観点から、「在庫保管費用や輸送費用」に加え、〔広告宣伝費を〕例示として記載したものです。」
と述べられており、私の「損益計算書説」もあんがい的外れではないことがうかがわれるように思います。
次に問題は、広告宣伝費は純粋な取次でも支出するんじゃないのか、ということです。
小売店は、自己の利益が増えると思えば自発的に広告をするでしょう。
経済学的に言えば、広告の限界収入が限界費用と等しくなるところまで、広告費を出すでしょう。
これは、指定価格制度の販売店であれ、純粋な取次である委託販売の代理店であれ、同じです。
なのにどうして、指定価格制度の場合だけ突如として、流通業者に広告費用を負担させてはいけないでしょうか?
このアンバランスについて公取委が気づいていないということはさすがにないと信じたいですが、ここにありうる発想としては、
「指定価格制度の場合には、所有権が流通業者に移転するので、ほんらい再販拘束になるはずだが、それにもかかわらず再販拘束を否定するためには、あともう一押し、指定価格制度のハードルを上げるための条件を課すべきなのではないか。」
という、かなり情緒的な、あるいは、「江戸の敵を長崎で討つ」的な、理論的には筋違いな、発想くらいしか思いつきません。
でもこれは論理的ではないですし、パブコメでも指摘されるとおり、過去の相談事例と整合しません。
すなわち、パブコメ4番では、
「令和6年度相談事例集「1 家電メーカーによる取引先事業者に対する一般消費者への販売価格の指示」(以下、「過去相談」という)においては減給がなかった「広告宣伝費用」がこのたび明示されるに至った理由につきお伺いしたい。」
という意見がでています。
これに対する公取委回答は、
「令和6年度相談事例集「1 家電メーカーによる取引先事業者に対する一般消費者への販売価格の指示」においては、「在庫保管費用や輸送費等」として、在庫保管費用や輸送費用に限られないことを示しておりましたが、「ユーザーへの販売に至るまでに生じる費用」としては、流通業者の販売方法等次第で多様なものが考えられます。
広告宣伝費は、在庫保管費用や輸送費用と同様に、商品を販売する多くの取引において生じることが想定されることを踏まえ、事業者における独占禁止法違反行為の未然防止と適切な事業活動の展開に役立てるという観点から、「在庫保管費用や輸送費用」に加え、〔広告宣伝費を〕例示として記載したものです。」
というものです。
「出た~。必殺、行政の『等はオープンエンド』説!」ですね(笑)。
令和6年相談事例のときに、ほんとうにそんな回答を相談者に伝えたんですかね?
あとから規制強化したんじゃないでしょうか。
しかも令和6年の事例ではたしかのそのとおりですが、令和元年事例5では、
「(2)本件取組は,X社が本件覚書を締結する小売業者に対して家電製品Aの販売価格を指示するものであり,小売業者は,家電製品Aを自己の名で一般消費者に販売することとなる。しかし,この取引については
ア 小売業者は,納品日から一般消費者への販売までの間,いつでも家電製品Aを返品可能であり(X社は,返品費用を負担するとともに,代金相当額を返金する。),家電製品Aに係る売れ残りのリスクについては,実質的にX社が負う形になっていること
イ 一般消費者への販売前の商品に瑕疵があった場合の責任については原則としてX社が負うこと,また,当該商品の滅失,毀損等の家電製品Aに係る在庫管理上のリスクについても,基本的にX社が負っており,小売業者は,善管注意義務を怠ったことに起因するものを除いて,当該リスクを負担しないこと
ウ 代金回収不能のリスクについては,小売業者が負うこととなるが,一般消費者への販売における代金回収方法は,通常,現金やクレジットカードによる決済が用いられることから,実質的なリスクの負担とはいえないこと
から,X社の計算による取引と同視することができる。
すなわち,本件取組においては,小売業者は単なる取次ぎとして機能しているにすぎず,実質的にみてX社が一般消費者に対して家電製品Aを販売しているといえる。
したがって,本件取組は,再販売価格の拘束として独占禁止法上問題となるものではない。」
と回答されており、積極的(?)に「等」とは言っていません!
むしろ、基準は「X社の計算による取引と同視することができる」かどうかであり、代理店が自主的な広告支出をしたからといってメーカーの計算による取引であることは否定されないと読めます。
これに対して令和6年の事例の一般論は、
「X社が、対象家電製品の一般消費者への販売に至るまでに生じるリスクと費用を自ら負担することを前提として行われているものということができる。」
となっており、実はこの時点で大幅に規制強化されていたことになります。
令和元年の事例があるのに、また令和6年に似たような事例をとりあげたのは、こういうこと(=規制強化したかった)だったんですね。
ともあれ、「等」でぜんぶ片づけるのは、行政の常とう手段ではありますが、いかがなものかと思います。
次に問題は、もし流通業者の広告宣伝費を全額メーカーが負担しないといけないとすると、流通業者が過大な広告宣伝費の支出をすることになり不効率です。
この点、「在庫保管費用」や「輸送費用」は、実費ですから、いじりようもありませんが、広告宣伝費はちがいます。
メーカーが負担してくれるために広告宣伝の限界費用がゼロならば、流通業者は限界収入がゼロになるまで広告支出を増やすでしょう。
そうすると、もし広告の限界収入がどこかで頭打ちになるのではなく逓増であれば、無限の広告宣伝費が支出されることになります。
そんな無茶なことはないでしょう。
この問題意識と通底するものとして、パブコメ14番で、家電量販店が年末セールなど他の商品と一緒にする広告は家電量販店独自の広告宣伝費として認識すべきだとのコメントが出ていて、これに対する公取委の回答は、
「メーカーは、流通業者の広告宣伝の実情に即して、流通業者における全体の広告宣伝費用に占める対象商品の販売のために要する費用の割合がどの程度となるかについても、流通業者との間で協議することが考えられます」
という、なんとも頼りないものです。
どうして頼りないかということ、この考え方にしたがえば、流通業者が無限に広告宣伝費を使うかもしれないという懸念に対する公取委の回答も、きっと、「流通業者との間で協議することが考えられます」ということになりそうだからです。
実務的には、流通業者が支出できる広告宣伝費の上限を事前に契約書で合意するしかないでしょう。
それでも、流通業者が合意をやぶって過大に広告宣伝費を支出した場合でも、結論としては、上限を超えた分もメーカーが負担しないと再販拘束違反はまぬがれないと思われます。
少なくとも公取委はそういう立場でしょう(私はおかしいと思いますが)。
というのは、少し文脈は違いますが、注5の3で、
「(注5の3) ユーザーへの販売に至るまでに生じる費用の実態を、メーカーが網羅的に把握することは困難な場合もあると考えられるところ、メーカーが、流通業者に対し、
a 流通業者においてユーザーへの販売に至るまでに生じる費用をメーカーが負担すること
b 当該費用の項目及びその負担方法
c 当該費用の項目に不足があるなどとして流通業者が協議を希望する場合にはその旨を申し出ることができること
をあらかじめ明示した上で、流通業者から協議の申出があった場合、当該申出の内容について当該流通業者と協議し、これら一連の過程で確認された費用をメーカーが負担した場合には、通常、メーカーが、ユーザーへの販売に至るまでに生じる費用を負担したものと考えられる。
もっとも、協議による合意の結果であるとしても、ユーザーへの販売に至るまでに生じる費用を、流通業者に一部でも負担させることとする場合には、メーカーが当該費用を負担したことにはならない。」
とされており、下線部分に注目すると、合意よりも全額負担の要請が優先すると公取委は考えているように思われるからです。
ですがさすがにそれでは据わりが悪いでしょうから、公取委に電話できいたら、案外、合意の上限を超えた分は負担しなくていいと言ってくれるかもしれません。
ただ、ここで私が言いたいのは、合意すればいいということではなくて(実務的にはそれで良しとしても)、事前に合意で上限を設定すること自体が非効率だということです。
というのは、広告宣伝にどれだけ支出するかは時機を見て柔軟に決められたほうが効率的だと思うのです。
また、どのような広告が効率的かは、流通業者のほうがメーカーより情報を持っているかもしれません。
そのような情報の非対称性がある中で、事前に合意しなければならないとしたら、どうしても支出は過小になると思われるのです。
でもそんな問題もきっと公取委は、当事者でよく協議すれば解決できるはずだと考えているのでしょう。
そうでなかったら、こんなガイドラインにはならなかったと思います。
あと、パブコメ5番では、
「流通業者は通常、複数の商品を取り扱っており、当該流通業者が行なう広告宣伝のうち、特定の商品に関する広告宣伝費用というものだけを切り出すことは不可能である。」
というコメントに対して、公取委は、
「御意見のような状況である場合、メーカーは、流通業者の広告宣伝の実情に即して、流通業者における全体の広告宣伝費用に占める対象商品の販売のために要する費用の割合がどの程度になるかについても、流通業者との間で協議することが考えられます。」
と回答しています。
要は、家電量販店のチラシの費用もメーカーは応分の負担をしろ、ということです。
それ自体合理性がないと思いますが、問題はそれだけではありません。
多数の商品を扱う小売店が1つの商品を宣伝すると、お店に来てもらえるということで、ついで買いなど、その商品自体の販促効果以上のものが期待できます。
いわゆるスピルオーバー効果です。
指定価格制度の対象になるようなプレミアムな商品の場合、それが目玉商品になって、スピルオーバー効果が生じるということは、ありうるシナリオだと思います。
そういうスピルオーバー効果があるにもかかわらず、たとえばチラシの中の各商品の面積比で費用負担するとかいうことになると、小売店が当該商品について過大な広告支出をする(たとえばチラシに占める面積を多めにとる)といったことが考えられます。
これも一種の非効率だと思います。
あと、これは過大規制につながるわけではないので大きな問題ではないように思うのですが、
「e 在庫保管費用、輸送費用、広告宣伝費用その他のユーザーへの販売に至るまでに生じる費用」
というのは、どういう意味なんでしょうね?
「販売に至るまで」ということなので、販売後に生じる費用は流通業者が負担してもいいということなのでしょうか。
たとえば、流通業者独自に保証期間を延長するプログラムを採用しても、その保証のための費用をメーカーは負担する必要はない、ということのように読めます。
でも、ビジネスのリスクの分配という観点からは、リスクは全部メーカーが負えというのがガイドラインの意図でしょうから、販売が完了する前と後でわけることには、あまり合理性がないような気がします。
(ただし、これは販売後のリスクもメーカーが負うべき、という趣旨ではありません。)
というわけで、今回の流取ガイドラインの改正の広告宣伝費の部分は、経済学的発想が多少なりともあれば、どんどんボロが出てくるように思います。
公取委には、ガイドライン改訂のメンバーにも、エコノミストか、少なくとも経済学部出身者を加えることをおすすめしたいと思います。
また、これはとくに弁護士さんにおすすめしたいのですが、独禁法ではグレーな部分が大きいものの、そのグレーな部分がどれくらい本気で執行されるかは、そのルールの経済合理性に左右されるところが大きいと思っています。
つまり、経済学的に合理的なルールは執行されるリスクが高いけれど、経済学的に不合理なルールはそのリスクは低い(いわば建前で言っているだけ)、ということです。
そういう発想が根本にあると、クライアントに対するアドバイスも、そう大きく間違いません。
少なくとも、グレーな中で首尾一貫したアドバイスができます。
たとえば、似たような事例でのリスクの高低の説明が、理路整然とできます。
なので、独禁法を扱うとくに若い弁護士さんは、経済学を勉強されることをおすすめします。
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