【お知らせ】NBLに2022年インテル事件欧州一般裁判所判決について寄稿しました。
法律雑誌NBL1230号に、
「海外注目事例からみえてくる 競争法実務の着眼点(第25回)
欧州:命令の名宛人の防御権を保障するために取消訴訟段階での当局による新たな主張立証を禁止した事例
General Court of 26 January 2022, Intel v Commission, T-286/09 RENV」
という論文を寄稿しました。
この判決を読んで、欧州の裁判所は適正手続(被告の防御権)をあたりまえのように保護していて、日本の裁判所との違いに衝撃を受けました。
論文にも書きましたが、欧州の競争法弁護士によると、この判決のような適正手続の考え方は欧州では一般的な傾向であり特別なことではないということでした。
ほんとうはタイトルに盛り込みたくて盛り込めなかったポイントがいくつもあって、例えば同等に効率的な競争者テストをきちんと理屈どおりに適用しているところなんて、理屈をよく分からず感覚で判断している日本の裁判官(すべてとは言いませんが)とは大違いだと、経験上、思いました。
あと、欧州委原決定(500頁を超えるもので、読むのが大変でした...)の段階では具体的な数字(例えばOEMのcontestable share)がすべて非公開で雲をつかむような感じだったのですが、本判決はかなり数字が明らかになって、「なるほどそりゃ欧州委負けるわな」と納得できたことも収穫でした。
この論文を読んで、一人でも多く「やっぱり日本の実務は問題だ」と思ってくれる人が出てきて欲しいなと思いながら書きました。
ぜひ、ご一読下さい。
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