晋遊舎に対する措置命令の疑問
晋遊舎がパズル雑誌の懸賞の賞品を送っていなかったとして、2021年3月24日、消費者庁から措置命令を受けました。
応募締切から短いもので8カ⽉弱、長いのだと3年10カ⽉後まで賞品が発送されていなかったということです。
本件でも、他の事件と同様、不当表示があったことの公示などとともに、
「貴社は、今後、本件商品又はこれらと同種の商品の取引に関し・・・前記○○の表示と同様の表示を行うことにより、当該商品の取引条件について、実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示をしてはならない。」
という、将来同様の表示をすることを禁じる命令がされています。
この手の事件をみて常々思うのですが、措置命令でたんに将来の表示を禁じるだけではなくて、命令の対象になった表示どおりに賞品を送るように命令することはできないものでしょうか。
西川編著『景品表示法〔第6版〕』p305でも、実際の商品役務の内容を表示に合わせることを命じた例として、石川ライフクリエートに対する2003(平成15)年4月16日排除命令が紹介されています。
この石川ライフクリエートの事件は老人ホームの事件だったので、入居している老人の方々にとっては、「不当表示がありました。将来同様の表示はしません」といわれてもあまり意味がなく、施設の内容を改善して表示に合わせる必要性がとくに高かったといえるかもしれません。
でも、雑誌の懸賞だって、「あれはうそでした。将来同様の表示はしません。賞品は表示どおりちゃんと送ります。」といわれても、現に懸賞に応募した人たちにとっては意味がないわけで、ちゃんと懸賞を実施して賞品を送らせるべきだったのではないでしょうか。
不当表示の内容が、「コロナウィルスを寄せ付けません」といった内容だと、表示どおりの商品を提供することはおそらく技術的に不可能ですから、表示をやめさせるほかないわけですが、雑誌の懸賞なら、不可能なことは全然ないと思います。
ひょっとしたら、応募ハガキを捨てちゃったので抽選の実施が不可能だった、ということもあるかもしれませんが、それでも、抽選ハガキが残っている分については実施させることはできるのではないでしょうか。
そのほうが、応募者も喜ぶし、同種事案の抑止にもなると思います。
こういうことが消費者庁内で議論されたのかどうかはわかりませんが、たぶん議論されていないと思うので、問題提起させていただきました。
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コメント
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晋遊舎の事案では、優良誤認と有利誤認とされているのですが、事例がほとんど共通で、表示物自体をみても、区別がよく分かりません。
解説していただけるとありがたいです。
投稿: | 2022年8月 8日 (月) 07時42分
今回も、
消費者庁「UPした別紙も含め、よく読めば分かると思うよ」感
何が問題だったのか消費者庁は詳細説明避ける
投稿: | 2022年8月12日 (金) 09時57分