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2022年1月11日 (火)

同一商品の付加(増量値引)に関する定義告示運用基準の変遷

標記の件についてメモしておきます。

■制定(昭和52(1977)年)当時の定義告示運用基準6項の規定

「6 「正常な商習慣に照らして値引と認められる経済上の利益」について

〔⑴⑵省略〕

(3)取引通念上妥当と認められる基準に従い、取引の相手方に対し、支払うべき対価を減額し、又は受け取った代金を割りもどすことは、原則として、景品類の提供に当たらない。

(4)次のような場合は、「値引と認められる経済上の利益」に当たらない。

ア 金銭の提供であっても、懸賞による場合、減額し又は割りもどした金銭の使途を制限する場合(例えば、旅行費用に充当させる場合)及び景品類の提供と一連の企画に基づいて行う場合(例えば、取引の相手方に金銭又は招待旅行のいずれかを選択させる場合)

イ ある商品の購入者に対し、それと同一の商品を付加して、同じ対価で提供する場合であっても、それが景品類であると認識されるような広告をして提供するとき(例えば、「みそ500グラム買えばもう100グラムを無料で進呈」と広告して提供するとき。)その他取引通念上景品類であると認識されているとき(例えば、新聞の無代紙)。

ウ ある取引に附随して、他の取引において用いられる割引券その他割引を約する証票を提供する場合」

■昭和63(1988)年改正後の同項の規定

「6 「正常な商習慣に照らして値引と認められる経済上の利益」について

〔⑴⑵省略〕

(3)次のような場合は、原則として、景品類の提供に当たらない。

ア 取引通念上妥当と認められる基準に従い、取引の相手方に対し、支払うべき対価を減額し、又は受け取った代金を割りもどすこと。 

イ 取引通念上妥当と認められる基準に従い、ある商品の購入者に対し、同じ対価で、それと同一の商品を付加して提供すること。

(4)次のような場合は、「値引と認められる経済上の利益」に当たらない。

ア 金銭の提供であっても、懸賞による場合、減額し又は割り戻した金銭の使途を制限する場合(例えば、旅行費用に充当させる場合)及び同一の企画において金銭の提供と景品類の提供とを併せて行う場合(例えば、取引の相手方に金銭又は招待旅行のいずれかを選択させる場合、1位のものには金銭を、2位のものには景品類をそれぞれ提供する場合

イ ある商品の購入者に対し、同じ対価で、それと同一の商品を付加して提供する場合であっても、懸賞によるとき、同一の企画において同一の商品の付加と景品類の提供とを併せて行うとき(例えば、A商品の購入者に対し、A商品又はB商品のいずれかを選択させてこれを付加し、同じ対価で提供するとき。)及び取引通念上景品類であると認識されているとき(例えば、新聞の無代紙)。

ウ ある取引に附随して、他の取引において用いられる割引券その他割引を約する証票を提供する場合」

■平成8(1996)年改正後の同項の規定(現行と同じ)

「6 「正常な商習慣に照らして値引と認められる経済上の利益」について

〔⑴⑵省略〕

(3)次のような場合は、原則として、景品類の提供に当たらない。

ア 取引通念上妥当と認められる基準に従い、取引の相手方に対し、支払うべき対価を減額すること(複数回の取引を条件として対価を減額する場合を含む。)(例 「×個以上買う方には、○○円引き」、「背広を買う方には、その場でコート○○%引き」、「×××円お買上げごとに、次回の買物で○○円の割引」、「×回御利用していただいたら、次回○○円割引」)

イ 取引通念上妥当と認められる基準に従い、取引の相手方に対し、支払った代金について割り戻しをすること(複数回の取引を条件として割り戻す場合を含む。)(例「レシート合計金額の○%割戻し」、「商品シール○枚ためて送付すれば○○円キャッシュバック」)。

ウ 取引通念上妥当と認められる基準に従い、ある商品又は役務の購入者に対し、同じ対価で、それと同一の商品又は役務を付加して提供すること(実質的に同一の商品又は役務を付加して提供する場合及び複数回の取引を条件として付加して提供する場合を含む(例 「CD三枚買ったらもう一枚進呈」、「背広一着買ったらスペアズボン無料」、「コーヒー五回飲んだらコーヒー一杯無料券をサービス」、「クリーニングスタンプ○○個でワイシャツ一枚分をサービス」、「当社便○○マイル搭乗の方に××行航空券進呈」)。)。ただし、「コーヒー○回飲んだらジュース一杯無料券をサービス」、「ハンバーガーを買ったらフライドポテト無料」等の場合は実質的な同一商品又は役務の付加には当たらない。

(4)次のような場合は、「値引と認められる経済上の利益」に当たらない。

ア 対価の減額又は割戻しであっても、懸賞による場合、減額し若しくは割り戻した金銭の使途を制限する場合( 旅行費用に充当させる場合)又は同一の企画において景品類の提供とを併せて行う場合( 取引の相手方に金銭又は招待旅行のいずれかを選択させる場合)

イ ある商品又は役務の購入者に対し、同じ対価で、それと同一の商品又は役務を付加して提供する場合であっても、懸賞による場合又は同一の企画において景品類の提供とを併せて行う場合( A商品の購入者に対し、A商品又はB商品のいずれかを選択させてこれを付加して提供する場合)」

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