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2020年1月 7日 (火)

ギグワークと下請法(と、ついでに消費税転嫁法)

最近東京ではよく見かけるようになったウーバー・イーツのような、アプリで単発の仕事を受けるような働き方をギグ(gig)ワークというらしいですが、ギグ・ワーカーも事業者なので、業務の内容によっては下請法の適用がありうるので注意が必要です。

たとえば、ある会社(ウーバー・ジャパン)が、レストランから配達を受託し、その配達業務を個人事業者に再委託すると、下請法上の役務提供委託にあたります。

つまり、下請法4条2項では、

「「役務提供委託」とは、

事業者〔=Uber〕が

業として行う提供の目的たる役務〔=料理の配達〕の提供の行為の全部又は一部を

他の事業者〔=ギグ・ワーカー〕に委託すること

(建設業(建設業法(昭和二十四年法律第百号)第二条第二項に規定する建設業をいう。以下この項において同じ。)を営む者が業として請け負う建設工事(同条第一項に規定する建設工事をいう。)の全部又は一部を他の建設業を営む者に請け負わせることを除く。)

をいう。」

とされており、これにあたります。

下請事業者が個人事業者の場合には発注者側の資本金は1000万円超で下請法の対象になります(下請法2条7項4号)。

ギグ・ワーカーは労働者ではなく労働法上の保護がおよばないことが問題視されていますが、下請法は逆に事業者を保護する法律なので、この点は問題なくクリアーされます。

下請法が適用されると、3条書面(発注書)を直ちに交付しないといけなかったり(メールも可)、下請事業者の名簿を管理しないといけなかったり、公取委の書面調査を受けたりと、いろいろと大変です。

でも下請法以上に気をつけないといけないのが、消費税転嫁法かもしれません。

というのは、消費税転嫁法では、相手方が個人事業者の場合には、発注者の資本金額を問わず、違反になるからです。

そのため、外国会社(にかぎりませんが)が日本子会社の資本金を小さくして下請法の適用をまぬがれることはできますが、消費税転嫁法の適用をまぬがれることはできません。

もし、ギグ・ワーカーへの委託手数料を税込で定めていたりすると、消費税増税時に手数料をみなおさないと必然的に買いたたきになります。

実際、消費税転嫁法では、この手の、個人事業者(塾講師など)に対する委託料を税込でさだめていたために買いたたきになってしまった例が非常に多いです。

事業者の方で、心当たりのある方は、注意をしましょう。

(※なお、もちろんこの記事は、ウーバーが下請法違反や消費税転嫁法違反をしているという趣旨ではありません。)

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コメント

本体価額100円に消費税10円を乗せて110円で取引していた免税業者にインボイス導入後消費税10円を削除して100円を支払うのは一切の転嫁を認めないことになりませんか。免税業者の仕入れにかかる消費税部分の転嫁を認めないことになりませんか。
転嫁法は期限切れでも他の下請法?などの法律に反しませんか。
便法としては簡易課税のみなし仕入れ率分の転嫁を想定して値引き要求するのは合理的といえるでしょうか。

臼井様

コメント頂きありがとうございます。ここで書くには長くなるので、2021年7月17日の記事で関連するテーマを取り上げました。ご覧頂けると幸いです。

初めまして。下請け法に詳しい方とお見受けし、コメントさせて頂きました。質問なのですが、3条書面にある下請け代金の記載についてなのですが、計算式の記載でも可能とありましたが、この計算式に具体的な数字が載っていなくても可能なのでしょうか?
もしこのコメントに気付きましたらご返事頂けると幸いです。
よろしくお願いします。

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