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2019年2月23日 (土)

会員登録者にクレジットカード番号を記入させてする懸賞企画に関する公取委回答

公正取引615号(2002年1月)37頁「景品表示法相談コーナー」(公正取引委員会事務総局経済取引局消費者取引課)に、
 
「当社は、インターネット上でショッピングサイトを運営し、入会無料の会員サービスを行っている。会員登録してくれた人を対象に抽選で景品を提供したいが、オープン懸賞とすることは可能でしょうか。」
 
という質問があります。
 
これに対して、平成13年4月の「インターネット上で行われる懸賞企画の取扱いについて」を引用しつつ、
 
「入会無料の会員登録に際しての景品提供は、その時点で取引を伴うものではありませんので、原則として、オープン懸賞と認められます。」
 
と回答されています。
 
ここまではいいのですが、問題はその次で、
 
「ただし、入会に際して、クレジットカード番号の入力を要件とする等取引そのもに結びつく情報提供を会員登録において要求される場合には、取引に付随した景品提供としてオープン懸賞とは認められません。」
 
と回答されています。
 
しかし、これは間違いです。
 
控えめに言って、上記通達に反します。
 
上記通達では、これ以上ないくらい明確に、
 
「消費者はホームページ内のサイト間を自由に移動することができることから,懸賞サイトが商取引サイト上にあったり,商取引サイトを見なければ懸賞サイトを見ることができないようなホームページの構造であったとしても,懸賞に応募しようとする者が商品やサービスを購入することに直ちにつながるものではない
 
したがって,ホームページ上で実施される懸賞企画は,当該ホームページの構造が上記のようなものであったとしても,取引に付随する経済上の利益の提供に該当せず,景品表示法に基づく規制の対象とはならない(いわゆるオープン懸賞として取り扱われる。 )(図1-1及び図1-2)。
 
ただし,商取引サイトにおいて商品やサービスを購入しなければ懸賞企画に応募できない場合や,商品又はサービスを購入することにより,ホームページ上の懸賞企画に応募することが可能又は容易になる場合・・・には,取引付随性が認められることから,景品表示法に基づく規制の対象となる。」
 
と明記されているからです。
 
取引付随性が認められるのは、商品購入を応募条件にする場合や、購入で応募が容易になる場合に限られる、とはっきり言ってます。
 
カード番号を入力させるだけで取引付随性が生じるなんてどこにも書いていません。
 
解釈論としても、カード番号を入力させるだけで取引付随性ありなんて、どうかんがえても無茶です。
 
カード番号を入力しただけで、そのうち多くの人が買い物するだろうなんて、なんの根拠もありません。
 
公取委のガイドラインをみても、ここまでゆるやかに取引付随性を認めている例はありません。
 
せいぜい、来店者とか、商品パッケージで企画を告知する場合が載っているくらいです。
 
カード番号だけで取引付随性ありなんて言い出したら、インターネットの無料の会員登録の多くが懸賞規制の対象になり、前記通知が骨抜きになってしまいます。
 
というわけで、この取引課の回答はまちがいですから、無視するほかないと思います。

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