三菱と日産の軽自動車への課徴金について
三菱自動車の燃費偽装事件については、今年(2017年)の1月27日に、
普通車・軽自動車を対象に、三菱に措置命令
軽自動車を対象に、日産に措置命令
普通車を対象に、三菱に課徴金納付命令
がなされましたが、残っていた、軽自動車についての両社への課徴金納付命令が6月14日に出ました。
そこで、同命令について気が付いたことを書き留めておきます。
■誤認解消措置について
命令では、両社とも、平成28(2016)年7月1日に誤認解消措置をとったと認定されています。
ただ両社とも、課徴金対象行為をやめたあと誤認解消措置までの間に違反対象商品を販売していないので、結果的に、誤認解消措置は課徴金額には影響していません。
■自主申告について
今回は、両社とも、違反を消費者庁に自主申告し、それが調査開始の通知前であったことから、課徴金の額が半額になっています。
ただ今回の命令では、三菱について、
「三菱自動車工業は、景品表示法第9条の規定により、前記1の課徴金対象行為に該当する事実を、景品表示法施行規則第9条に定めるところにより消費者庁長官に報告したところ、当該報告は当該課徴金対象行為についての調査があったことにより当該課徴金対象行為について課徴金納付命令があるべきことを予知してされたものではない。」
日産について、
「日産自動車は、景品表示法第9条の規定により、前記1の課徴金対象行為に該当する事実を、景品表示法施行規則第9条に定めるところにより消費者庁長官に報告したところ、当該報告は当該課徴金対象行為についての調査があったことにより当該課徴金対象行為について課徴金納付命令があるべきことを予知してされたものではない。」
とだけ認定されているだけで、具体的な申告日や調査開始の通知日は明らかにされていません。
前回の三菱の普通車についての課徴金納付命令(平成29(2017)年1月27日)では、
「三菱自動車工業は、景品表示法第9条の規定により、前記1の課徴金対象行為に該当する事実を、不当景品類及び不当表示防止法施行規則第9条に定めるところにより消費者庁長官に報告した。
三菱自動車工業が当該報告をしたのは、消費者庁が三菱自動車工業に対して前記1の課徴金対象行為についての調査の開始を通知したときである平成28年5月27日又は同年8月31日午前より後である同日午後であった。
よって、当該報告は、当該課徴金対象行為についての調査があったことにより当該課徴金対象行為について課徴金納付命令があるべきことを予知してされたものである。」
と、調査開始の通知日と自主申告の日を具体的にあきらかにしていたのとは対照的です。
これはきっと、前回は自主申告による減額を認めないという不利益をあたえるので具体的な日付まで明らかにいていたところ、今回は減額をみとめるという利益をあたえるのだから細かい日付までは書かなくてよい、という判断なのでしょう。
■日産の過失について
日産の過失について、命令では、
「日産自動車は、三菱自動車工業株式会社と共同して実施した燃料消費率に係る検証において本件6商品の各商品の燃費性能の根拠となる情報を十分に確認することなく前記1の課徴金対象行為をしていたことから、それぞれ、当該課徴金対象行為をした期間を通じて当該課徴金対象行為に係る表示が景品表示法第8条第1項第1号に該当することを知らず、かつ、知らないことにつき相当の注意を怠った者でないとは認められない。」
と認定されています。
報じられているところによると、
2015年11月には日産が届出値と実測値に大きな差があることに気づき、
2016年2月から両社で調査を開始した、
ということのようなので、ここでの「共同して実施した」検証というのは、おそらく2016年2月以降に共同で実施した調査のことではないかとうかがわれます。
今回の件は、基本的には三菱の開発や試験に問題があり、日産はだまされたというのが大方の見立てだと思いますが、 日経電子版6月14日の記事では、
「不正をもっと早く知り得たのではないかという消費者庁の見解は不当。必要な対抗措置を講じる」
という日産のコメントが出ています。
課徴金納付命令によれば対象商品は2016年4月20日まで販売されているので、消費者庁は、「日産はもっと早くわかっていて、もっと早く課徴金対象行為をやめられただろう」、という認定であることがわかります。
これに対して日産のコメントは、「わかってから速やかにやめて4月20日になったんだ」ということなのでしょう。
ちなみに三菱の過失についは、
「三菱自動車工業は、本件8商品の各商品の燃費性能について改ざん等の行為を行い、また、当該行為の防止等を図るための管理監督を十分に行っていない。
三菱自動車工業は、かかる状況の下、前記1の課徴金対象行為をしていたことから、それぞれ、当該課徴金対象行為をした期間を通じて当該課徴金対象行為に係る表示が景品表示法第8条第1項第1号に該当することを知らず、かつ、知らないことにつき相当の注意を怠った者でないとは認められない。」
というように、自らが改ざん等を行った、という、よりストレートな認定になっています。
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