実際と異なるけれど景表法違反にならない表示
景表法は、実際と異なる表示をした場合に違反になる(事実をありのままに表示しているかぎり違反にはならない)のですが、実際と異なるすべての表示が景表法違反になるわけではありません。
不当表示は、表示と実際が異なるだけでなく、
「実際のものよりも著しく優良」(優良誤認表示の場合。景表法5条1号)
である場合に初めて成立するからです。
なので、顧客の誘引とはまったく関係ないような、いわば誤記のたぐいは、景表法違反にはなりません。
たとえば、あるシリーズのお菓子について、「アルミ包装」と表示していたところ、同じシリーズの特別企画の商品についても同じ「アルミ包装」という表示していたのに、生産の都合で紙包装になった、というような場合、アルミ包装か紙包装かで消費者の選択にちがいが生じるとはいえないような場合(より正確には、アルミ包装のほうを紙包装よりも著しく優良だと消費者がとらえないような場合)であれば、それはたんなる誤記であって、景表法違反にはなりません。
ほかには、たとえば、ほんとうはMサイズの服なのに、まちがって「Lサイズ」というシールを貼ってしまったというのも、不当表示にはならないでしょう。
そういう誤記をすると、Lサイズがほしい人は誘引されてしまう(誤記がなければ買わないのに誤記のために買ってしまう)のかもしれませんが、消費者一般が誘引されるわけではない(Mサイズのひとは、誤記のためにむしろ買わなくなってしまう)からです。
ほかには、たとえばほんとうは6月30日が賞味期限の牛乳に、まちがって賞味期限を短めに「6月29日」と表示してしまうのも、不当表示にはならないでしょう。
賞味期限が短いとむしろ消費者はその商品を敬遠するので、「優良」と誤認させていることにはならない(むしろ劣悪と誤認させている?)からです。
もちろん、どんなささいな誤記でも放置しておくのは商売として望ましくないので、すみやかに訂正すべきですが、それと景表法違反とはまた別の話です。
顧客の誘引とは関係のない誤記というのも、世の中には案外多いのかもしれません。
そのような場合に、
「消費者庁から措置命令を受けて新聞沙汰になるかも」
とか、
「課徴金を命じられるかも」
といった心配をする必要はない、ということです。
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