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2015年12月

2015年12月18日 (金)

Yates Memoについて

今年の9月9日に、司法副長官から反トラスト局長を含め各局長にあてて出されたメモ(Yatesメモ)が話題になっています。

内容は、企業犯罪では個人の責任を積極的に追及していく、という方針を表明したものです。

元々、反トラスト局は、ハードコアカルテルの場合に個人の責任を追及するのに積極的だったので、このメモで何がどう変わるということもないのだと思うのですが、1つ注目されるのは、同メモの6つのポイントうち4つめで、

特段の事情ないし司法省で承認されたポリシーによるのでない限り、司法省は、企業と司法取引をするときには、個人を免責することはしない

とされていることです。

この、「司法省で承認されたポリシー」(departmental approved policy)というのに、リニエンシーポリシーが含まれることは同メモに明記されているのですが、反トラスト局のカーブアウトについては、明記されていないのでよくわかりません。

(カーブアウトというのは、特定の個人、典型的には違反の張本人を、免責の対象から除外(carve out)して、他の従業員・元従業員はまとめて会社との司法取引で免責する、という反トラスト局独自のポリシーです。)

でも、カーブアウトでも責任追及されるべき人は免責されないので、司法取引で明示的に免責対象に含められた人だけ免責される(カーブ・イン)と原則と例外が逆になるだけなので、(実質を問題にしていると思われる)Yatesメモにはカーブアウトポリシーは引っかからないのだろうと思います。

Arnold & Porterのウェブサイトの記事にも、カーブアウトはdepartmental approved policyに含まれるので今後も変わらないだろう、という論評がなされています。

2015年12月15日 (火)

朝日新聞で改正景表法についてのコメントを紹介していただきました。

12月12日(土)の朝日新聞の朝刊の、

「不当表示、課徴金で規制 消費者救済も」

という記事で、コメントを紹介していただきました。

そこでもコメントしたのですが、やっぱり健康食品とか、最も数が多そうな違反者の場合は、3%ではぜんぜん抑止力にならないと思います。

あと、記者さんとお話ししているときに、返金制度はどれくらい利用されるかが話題になったのですが、現金しか返せないという縛りがあるので(課徴金から差し引く制度である以上やむをえないところはありますが・・・)、お金を返すより新品と交換とか自社で使えるクーポンにしたい、ということも多いでしょうから、どれくらい利用が進むかは未知数ですね。

朝日新聞デジタルでも登録すると読めるようなので、ご興味のある方はどうぞ。

2015年12月 1日 (火)

赤本の誤記(マイクロソフト事件)?

菅久他編著『独占禁止法(第2版)』p170に、マイクロソフトの抱き合わせの事件が紹介されていますが、この事件は、

「表計算ソフトという従たる商品市場における競争の減殺を問題としている。」

と説明されています。

でも、この事件は、当時人気のあったエクセル(=主たる商品)に、ワード(=従たる商品)を抱き合わせて一太郎が排除されたという事件だったはずです。

なので、主たる商品が表計算ソフト(エクセル)で、競争が減殺された商品(従たる商品)はワープロソフトなのではないでしょうか。

単純ミスだと思いますが、けっこう大事なところで気になったので指摘しておきます。

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