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2015年7月16日 (木)

転嫁カルテルの公表

消費税転嫁法に基づく転嫁カルテル・表示カルテルは、その届出状況が公取委のホームページで公表されています

しかし、ご覧のとおり公表されているのは届出者名(多くは事業者団体)と、①から④の共同行為のどれを届け出ているか(複数選択可)、だけです。

ちなみに公取委のQ&Aでは、

「Q8 カルテルに参加する事業者の名簿を提出する必要はありますか。

A 事業者の名簿を提出する必要はありません。」

「Q9 届出を行ったことは公表されますか。

A 消費税転嫁・表示カルテルの届出は,原則として,届出を受け付けた月ごとに取りまとめて,翌月,公正取引委員会HPに届出状況として掲載します。

届出状況として掲載する項目は次のとおりです。(以下省略)」

と説明されています。

しかし、以上のような運用は不親切ではないでしょうか。

まず、届出の対象商品についても公表すべきです。

届出書では「共同行為の対象とする商品又は役務」も届出事項となっているので(消費税の転嫁の方法及び消費税についての表示の方法の決定に係る共同行為の届出に関する規則(平成二十五年九月十日公正取引委員会規則第四号)、様式第1号)、対象商品を公表するのは容易なはずです。

届出をした事業者団体の名前をみればだいたい何が届出対象かは想像はつくことも多いですが、そうともいえない場合もあります。

たとえば、「茨城県折込広告協議会」の転嫁カルテルって、何が対象なのでしょうか?(折り込み広告を新聞に挟む手数料でしょうか?折り込み広告の印刷手数料でしょうか?)

「業酒連協同組合」って、何でしょうか?

「奈良県におけるスポーツ施設提供業者」の、「スポーツ施設」って、何でしょうか?

いずれにせよ、事業者団体の名称から想像させるというのでは、とくに取引先にとって不親切だと思います。

それから、事業者団体に加盟している事業者名も公表すべきだと思います。

そうしないと、取引先にしてみれば、自分が取引をしている相手方が転嫁カルテルを結んでいるのか(転嫁カルテルを行っている事業者団体に属しているのか)、すぐには分かりません。

(ただ、加盟事業者団体については届出書では「参加しようとする事業者の数」だけを届け出ることになっており、そもそも参加しようとする事業者名は届け出対象ではないので、公取委にも直ちに分からない、という問題はあります。)

また転嫁カルテルの参加者や内容を具体的に公表しないと、転嫁の内容について思わぬ誤解を招くこともあると思います(たとえば、卸価格のカルテルなのか、小売価格のカルテルなのか、など)。

転嫁カルテルは本体カルテルに結び付く可能性が高いので(というより、理論的には「本体価格」か「消費税分」かを区別することはできない、あるいは無意味)、カルテルの参加者と対象商品を公表することはきわめて重要だと思います。

カルテルが秘密裏に行われるのは、カルテルが取引先に知られると値上げがしにくくなるから、という理由があると思いますが、その意味で公表しているのは正しい方針だと思いますが(ちなみに転嫁法自体では公表は義務付けられていません)、どうせ公表するなら詳細まで公表すべきでしょう。

転嫁カルテルの届け出については、少なくとも届出書の全部の事項、できれば添付書類も含めて、全部公表すべきだと思います。

公表されると届出をためらってしまう、というような転嫁カルテルなら、そもそも認めるべきではないと思います。

公取委にはぜひ、運用の再考をお願いしたいと思います。

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