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2014年10月

2014年10月19日 (日)

【2014年IBA東京大会開幕】

今日からIBA(International Bar Association)の東京大会が東京国際フォーラムで始まりました。

世界中から6000人以上の法律家が集まる一大イベントで、「法律家のオリンピック」という人もいます。

東アジア初のIBAの年次大会という意味でも、歴史的な大会です。

私はIBAの競争法委員会の役員をやっている関係もあって、もちろん出席しています。

先ほど行われた開会式には、安倍首相と天皇皇后両陛下が出席され、この大会の重みを改めて感じました。

安倍首相のスピーチはIBAにふさわしく、法の支配についてのもので、吉田松陰の言葉を引きながら、法の支配は権力を法、あるいは民の声が縛るものなのだ、ということをおっしゃっておられ、その通りだと思うとともに、特定秘密保護法や改正憲法も法の支配に則ったものであって欲しいものだと思いました。

天皇皇后両陛下は前IBA会長の川村明先生のエスコートで登場されました。IBAの現会長であるマイケル・レイノルズは、以前アンダーソン毛利友常法律事務所で働いていたときに川村明先生を通じて知り合い、今でも親しくさせていただいています。そのようなわけで、身近な人が雲の上の人と一緒にいるような、妙な感じがしました。

ただ考えてみると、マイケルも安倍首相も両陛下も自分と同じ人間であるわけです。

自分がIBAの会長になったり日本の首相になったりすることはまずできませんし、まして天皇になったりすることは絶対にできないわけですが、同じ人間として、人にはできて自分にできないことはないはずじゃないか、とマイケルと安倍首相が握手をしているのを見ながら考えたりしていました。

偉い人たちをみるとつい怖気づいてしまいますが、肩書はともかく仕事の実質という点では、弁護士として「法の支配」の実現のために尽くすことはできるはずだし、弁護士である以上、独禁法という分野で社会に貢献するだけでなく、より広く法の支配に貢献しないといかん、と意を強くしました。

怖気づいているだけでは、この世にせっかく命を頂いたのに、お天道様に申し訳がありません。

一週間、たくさんの国の法律家と話をして、いろいろ吸収していきたいと思います。

なお、水曜日午後に企業結合のパネルでモデレーターを務めますので、もし登録している方がいらしたら、聞きに来ていただけると嬉しいです。

2014年10月15日 (水)

今年のノーベル経済学賞

2014年のノーベル経済学賞を、ジャン・ティロール教授が受賞されましたね。

いつかは取るだろうと言われていた人による順当な受賞、なのだそうです。

独禁法を専門とする者としては、産業組織論の分野(ティロール教授の研究分野は極めて広く、産業組織論に限りませんが)から受賞者が出たのは、何だか嬉しいです。

ティロール教授といえば、独禁法の世界では、

"The Theory of Industrial Organization"

が、産業組織論の古典的名著として有名です。

私も持っていますが、正直、私の経済学の理解のレベルでは、到底全部理解することはできませんcoldsweats01

数学が難しいというよりも、説明がミニマムで、モデルの仕組みを頭の中で噛み砕いて理解しないと、どうしてそういう説明になるのか理解できないことが多いです。

つまり、論理が飛んでいるように見えるところを自分の頭で補って読める人、あるいは、産業組織論の基礎を分かっている人でないと、理解できません。

そういう意味では、入門用では決してありません。

説明のていねいさという点では、新しい教科書の方が優れいていると思います。

それから、やはり英語のネイティブではないせいか、文章自体もちょっと読みにくい気がします。

(入門用という意味では、

Dennis W. Carlton, Jeffrey M. Perloff, "Modern Industrial Organization"

の方が、ずっとわかりやすいです。)

それでも、ミニマムな説明の中に凝縮された鋭い視点が示されていることがあり、はっとさせられます。

例えば、「1期だけのモデルでは時間の概念をとらえられず、そのためには2期以上のモデルを作る必要がある。」(まあ大体そんな感じです)という説明には、「むむむ!」と唸ってしまいました。

この本にはそういう、「噛めば噛むほど味が出る」という魅力があるので、ついつい、格闘したくなります。

ノーベル経済学賞が発表されると大手書店が受賞者の特集をしたり、便乗して関連本が出版されたりするので、この受賞を機に日本の独禁法実務の中でも産業組織論が盛り上がったりしないかな(ついでに、もっと広く、日本の社会の中で独禁法が注目されたりしないかな)、とちょっと期待したりしています。

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