「事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針(案)」について
現在、「事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針(案)」のパブコメが行われています(9月16日まで)。
その内容自体については機会があればまたコメントするとして、実務的な関心事としては、景表法への課徴金導入が予定されている現在、この指針に書かれてあることを守っておかないと、事業者が「注意を尽くした」として課徴金を免れることは事実上できなくなるのではないか、ということです。
さすがに指針案に書かれていること全部を守らないと注意義務を尽くしていないということにはならないのだと思いますが、この指針案の
「事業者が講ずべき表示等の管理上の措置の具体的事例(案)」
から注意義務の認定に斟酌されそうな事項(あるいは斟酌すべきかが問題になりそうな事項)を見てみると、
「3 表示等に関する情報の確認の例」
は、特に問題になりそうです。
中でも、
「無作為に抽出したサンプルの成分検査を実施すること」
は、コストさえかければできてしまうだけに、これをやっていないと注意義務を尽くしていないと言われると、例えば小売店とかはつらいでしょうね。
例えば偽物のカシミヤとかも、検査すればわかるんじゃないでしょうか。
「定期的に原材料配合表に基づいた成分検査等を実施すること」
というのも同様です。
それとは逆に、
「6 表示等の根拠となる情報を事後的に確認するために必要な措置を採ることの例」
として、
「製造業者等に問い合わせれば足りる事項について、製造業者等に問い合わせできる体制を構築しておくこと」
というのが挙げられていることからすると、製造業者を信じても良い事項というのが一定程度あることを想定しているようにも見えます。
ただ、これが「事後的に確認するため」という項目に挙がっていることからすると、産地偽装のケースなどは事後的に確認するような話ではないので、そういう場合が「問い合わせれば足りる事項」として想定されているわけではない、という気もします。
要はケースバイケースで、例えば相場に比べて極端に安い価格である場合には偽物じゃないかと疑うべきでしょうし、中国産のカシミヤの大半が偽物じゃないかという報道があったりしたら、何も検査しないで「卸業者を信じた」というのは、おそらく通らないのじゃないかという気がします。
景表法の課徴金制度については、
そもそも善意の小売店にまで課徴金を課す必要があるのか、
課徴金を課すのは悪質なメーカーだけで抑止力として十分ではないか、
被害弁償(返金制度)も悪質なメーカーにさせれば十分じゃないか、
といった問題があるように思いますが、ともあれ、このままいくと善意の事業者にも課徴金が課されることになりそうなので、その場合には景表法7条の適切な管理上の措置を採っていたかが参酌される可能性があることには気を付けておいた方がよいと思います。
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