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2013年7月25日 (木)

3条書面の「支払期日」の「~日以内」という記載

3条書面(発注書)には、「支払期日」を記載することになっています(3条書面規則1条1項4号)。

ところが、公取委の検査でよく指摘される事項なのですが、この支払期日として、

「納品後○日以内

という記載は認められないという運用になっています。

3条書面記載例の解説(下請法講習テキスト76頁)に、

「※『納品後○日以内』との記載は、支払期日が特定されないので認められない。」

と、その旨が説明されています。

つまり、

「納品後○日」と特定日で書いた上でそれよりも早く支払う・・・①

のはいいけれど、

「納品後○日以内」と書いた上でその日よりも早く払う・・・②

というのはダメだ、ということです。

しかし、これはちょっとおかしいのではないでしょうか。

まず、①も②も、実質的には何も変わりません。

「納品後○日以内」だと、どうして特定されていないということになるのでしょうか?

もともと「支払期日」というのは、その日までに払ってね、というこで、その日以外には払ったらいけないということではないので、「以内」というのは、その「その日までに」という部分を表しているだけでしょう。

つまり、

納品後○日以内

という支払日の記載は、文字通りの

支払期日(=「この日までに支払ってね」という日)が「納品後○日以内」だ・・・×

という意味ではなくて、

納品後○日までに支払う・・・○

という意味であり、

納品後○日

の部分で支払日は特定されていて、

以内

の部分は、

「までに支払う」

という意味を表していると考えるのが合理的だと思うのです。

つまり、「以内」の部分は3条規則の観点からは余事記載(?)で、「支払期日」という言葉の意味の一部と重複している(「支払期日」の意味の中に必然的に含まれる「その日までに支払ってね」ということを、「以内」で繰り返し言っている)だけに過ぎない、と考えるわけです。

あるいは、

納品後○日以内

という記載は、

「納品後○日以内に支払います。

という意味、つまり

に支払います。

の部分が省略されているだけ、というふうに説明してもよいと思います。

(まさか公取委も、「納品後○日以内に支払います。」という記載が違法だとは言わないでしょう。それなのに「納品後○日以内」はダメだというのは、わけがわかりません。)

それをわざわざ律儀に、

「納品後○日」以内の範囲内で支払期日はどのように決めてもいいのだ(だから不特定だ)

と読むのは、形式的に過ぎます(というか、日本語の通常の読み方と違います)。

本当にそういう読み方しかできない人がいたら、「あなた本当に日本人ですか?」と聞きたくなります。

ちなみに、この問題は「期日」という日本語が国語辞典的に何を意味するかということとは関係がありません。

例えば、最近参議院選挙が自民党の圧勝で終わりましたが、「投票期日」が7月21日であれば、投票できるのは7月21だけなのであり(「期日前投票がある」とか言わないでくださいね。笑)、「期日」がピンポイントでその日を指すことが明らかです。

これに対して「支払期日」というのは、支払う日がその日より前であれば良いという意味が、「期日」という言葉ではなく、「支払」のほう、ないしは「支払期日」という熟語全体に含まれるので、「納品後○日以内」と書いても不特定とは言えないんじゃないか、という趣旨です。

また「○日以内という記載は、実質的にも問題はありません。というより、下請事業者にとって有利にはなり得ても不利にはなり得ません。

例えば、仮に公取委の指導に従って、

「納品後10日」

と、ピンポイントで記載したとしましょう。

すると、その意味するところは、初日不算入(民法140条本文)として、8月1日に納品された商品の下請代金が支払われるべき日は、

8月1日(0日目)、2日(1日目)、・・・・11日(10日目)、

の11日の候補日のいずれか、ということになります。

これに対して公取委が、「『納品後10日以内』では不特定だ」という意味は、支払期日が、

8月1日(0日目)

8月2日(1日目)

・・・

8月11日(10日目)

のいずれであるか分からないからだめだ、ということでしょう。

しかし、仮に「以内」という言葉の意味をそのように解しても、8月1日に納品された商品の下請代金が支払われるべき日は、

8月1日(「支払期日」が「納品日から0日目」という意味と解した場合)、・・・①

または、

8月1日、2日(同じく「納品日から1日目」)・・・②

または、

8月1日、2日、3日(同じく「納品日から2日目」)・・・③

・・・

または、

8月1日、2日、・・・11日(同じく「納品日から10日目」)・・・⑪

ということになり、結局、支払われるべき日は⑪になるわけです。

これは、支払期日をピンポイントで定めた場合と同じです。

このように、(いささかくどいですが)「以内」をつけてもつけなくても、意味は変わらないわけです。

仮に「以内」では不特定だという見解に立っても、不特定になった結果、①~⑩の可能性があるだけ、⑪の余地しかない場合よりも絞られているとすらいえます。

最後にもう1つダメ押しをすれば、発注時点で決められない事項(3条規則では「特定事項」と呼ばれています。)の「内容を定めることとなる予定期日」の記載(3条規則1条3項)では、

「発注日から○日以内」

という記載が認められているのと辻褄が合いません。(講習テキストp28、Q&A38番)

いつまでも国民の常識から離れた解釈をしていると、そのうち国民から見放されてしまうと思います。

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