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2011年3月 9日 (水)

再販売価格維持が非価格拘束より悪い理由

再販売価格維持は、原則、違法だと、よく言われます(例外も多いですが)。

つまり、価格拘束と非価格拘束を区別して、(最低)価格拘束は原則違法だけれど、非価格拘束はケースバイケースで判断する、とされます。

でも、価格競争が非価格競争より重要な理由というのは、実はあまりはっきりしません。

価格競争を重視する見解は、価格決定は事業者(例えば小売店)の基本的権利だ、とか、基本的な競争手段だ、ということを強調することが多いみたいです。

例えば流通取引慣行ガイドラインでは、

「事業者が市場の状況に応じて自己の販売価格を自主的に決定することは、事業者の事業活動において最も基本的な事項であり・・・」

とされています(第2部、第1,1(1))。

しかし、価格拘束の違法性が高いとされる本当の理由は、端的に、消費者に対する害が大きい、あるいは明白だから、ということなのではないでしょうか。

事業者にとって基本的な事項かどうかは二の次だと思います。

上記ガイドラインでは、続けて、

「・・・かつ、これによって事業者間の競争と消費者の選択が確保される。」

といっていますが、趣旨が不明確です。

自主的な価格決定により「事業者間の競争」が確保されるというのはいいとしても、「消費者の選択」が確保されるというのは、なんだか、消費者は高い商品も安い商品も選択することがあり、そのような選択の余地が確保されるべきである、といっているみたいで、実態に合いません。

消費者は、同じ品質なら安い商品を選ぶに決まってます。

価格以外の競争手段(商品のデザインとか、アフターサービスとか)は、消費者によって選択するものが違うことがいくらでもあります。

でも、価格にはそういうことがありません。

仮に、「高い方がいい」という変な消費者がいても、そういう消費者の「選択」の余地を独禁法が保護する必要はありません。

価格拘束が悪い理由は、消費者への害、つまり消費者が高い物を買わされることを中心に考えるべきです。

再販売価格維持の違法性の根拠として価格設定が事業者の基本的権利であることを強調すると、最高再販売価格維持も最低再販売価格維持と同様に違法であるというような、とんでもない見解になりがちです。

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