企業結合の完了報告書
株式取得などの企業結合が完了したときには、公取委所定の書式に従って、「完了報告書」というのを出さないといけないことになっています。
つまり、企業結合届出規則7条5項で、
「届出会社は、株式の取得をした日又は合併、分割、株式移転若しくは事業等の譲受けの効力が生じたときは、様式第二十五号、様式第二十六号、様式第二十七号、様式第二十八号、様式第二十九号又は様式第三十号による完了報告書一通を公正取引委員会に提出しなければならない。」
とされています。
と、公取委の書式へのリンクを貼ろうと思ったら、完了報告書の書式はアップロードされてないんですね。なぜなんでしょう。。。
書式が必要な方は、公取委の平成21年10月23日の報道発表資料の別紙を見て下さい。そこに載っています。
報告する内容は、例えば株式取得完了報告書(様式25号)の場合だと、
「平成 年 月 日付け公 株第 号をもって受理された標記会社の株式取得は,平成 年 月 日効力が生じました。」
「なお,届出後株式取得の効力が生じた日までに届出書類の記載に重要な変更はありません。」
という1枚だけの簡単なものです。
ただ、あえて言わせてもらうと、この完了報告書には、法律の根拠がありません。
報告書の書式にも
「昭和28 年公正取引委員会規則第1号第7条第5項の規定により,下記のとおり報告します。」
と、根拠条文としては届出規則7条5項が引用されているだけです。
ですので、この報告書は法律の委任の範囲を超えた無効な規則ではないかと思います。
裁判所で「無効だ」と争えば、恐らく勝てるでしょう。
もちろん、出し忘れても罰則はありません。
とはいえ、簡単な1枚ものの報告書ですので、出すようにしましょう。
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