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2010年10月 8日 (金)

【IBAバンクーバー2010】4日目

今日はantitrust regulation for natural resourcesというセッションを聴いてきましたので、簡単にメモしておきます。

【南ア】企業結合の審査に、競争だけでなく、雇用の維持なども考慮する。

国際的な企業結合では、「対南ア市場に対するオペレーションのコントロールを他から隔離(ringfence)する」というレメディが提案されることがあるが、認められることはまずない(当たり前ですね)。

南アでの企業結合届出の売り上げ基準には、南ア市場への輸入のみならず、南ア市場からの輸出も含む。

アルセロール・ミタルに対して、excessive priceの異議が述べられたことがある。

【中国】MOFCOMは、他国の競争当局にプロフェッショナルと見られたいという気持ちがあるので、表立っては競争以外の価値を企業結合審査に持ち込まないが、実際には、政治的意図や産業政策が影響している。

届出基準に達しない企業結合でもMOFCOMの審査の対象になる。

【ブラジル】企業結合審査では、国際協力はあまり活発ではない。

(ブラジル大手鉄鉱会社の)ヴァーレによる他社買収の件では、インフラの重要性を重視して審査を行った。

ブラジルには鉄鋼メーカーはないので、ヴァーレが他社を買収してもブラジル内の需要者が損害を受けるわけではないので、ECなど他の当局に任しておけばよいとの意見もあったが、国内が1社に独占されると将来国内に鉄鋼会社が誕生しなくなる恐れがあるというforward lookingな視点も加味して審査した。

(この、国内の将来の需要者、市場を企業結合の際に考慮するというのは面白いと思いました。将来川下の産業が育ってきたときに、「あのときのSEAE(ブラジルで企業結合を担当する当局。「セアイー」と読みます)の判断は卓見だった。」ということになるのかもしれません。)

【EU】BHPビリトンとリオティンとのジョイントベンチャーは、フルファンクションのジョイントベンチャーではないので、企業結合ではなく、カルテル(101条)で審査されている。なので審査期間に制限がない。

【カナダ】最近独禁法の大幅な改正があった。極めて短期間に改正がなされたのは、他の不況対策パッケージの立法の一部だったから。

Investment Canada Actに注意。economic testとnational security testがあり、正味でカナダに利益があるかが問題とされる。

垂直合併ではstructural remedyは難しいので、behavioral remedyもやむをえない。

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