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2010年9月10日 (金)

「警告」と「注意」の違い

独禁法や景表法に触れるような事案で正式な法的処分(独禁法では、排除措置命令。景表法では、排除命令)にまで至らないときに、「警告」や「注意」といった処分がなされることがあります。

それでは、「警告」と「注意」は、どのような点が異なるのでしょうか。

平成21年度の公取委年次報告p26では(毎年同じ内容ですが)、

「また、法的措置を採るに足る証拠が得られなかった場合であっても、違反の疑いがあるときは、関係事業者等に対して警告を行い、是正措置を採るよう指導している。

さらに、違反行為の存在を疑うに足る証拠は得られなかったが、違反につながるおそれのある行為がみられた場合には、未然防止を図る観点から注意を行っている。」

と説明されています。

敢えて要約すると、

①警告は、違反を認定するには証拠不充分だが違反の疑いがある場合、

②注意は、違反の存在を疑う証拠すら無いが、違反につながるおそれがある場合、

になされる、ということになります。

警告になるか注意にとどまるかは程度問題とはいえますが、実際に注意された例などを聞くと、違反で立件するには相当無理があるなぁと思われるようなものもある印象です。

また警告は全件公表されます(独禁白書にも載ります)。

これに対して注意は、

「競争政策上公表することが望ましいと考えられる事案であり、かつ、関係事業者から公表する旨の了解を得た場合又は違反被疑の対象となった事業者が公表を望む場合」

には公表しているそうです(平成21年度独占禁止白書p26)。

ですが、当事者が公表に同意して注意が公取委から公表されるか否かにかかわらず、あるいは公表される前に、新聞に載ってしまう可能性は否定できないところです。

あと、警告は文書で行われますが(審査規則31条1項)、注意は口頭で行われます。

注意は口頭なので、公取委から法務部などに電話がかかってきて、「今から注意をします」という感じで、注意の内容が読み上げられます。

注意を受けた企業は記録に残す必要があるでしょうから、口頭で読み上げられる内容を聞き取って書き留める必要があります。

一度で聞き取れなければ、もう一度言ってもらえます。

あくまで注意は口頭、つまり音声でなされるものなので、「その○○は、漢字ですか、平仮名ですか」と聞いても、

「口頭なので漢字も平仮名もありません。」

と、冷たく言われるかも知れません(半分冗談です)。

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