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2010年6月22日 (火)

競争者兼取引先との情報交換

競争業者との情報交換は独禁法違反を招くおそれがあるから避けるように、といわれることがあります(なお、情報交換自体が独禁法違反というわけではありません)。

しかし、悩ましいのは競争業者が同時に取引先でもある場合です。

世の中では、ある場面では競争業者でありながら、別の場面ではお得意さんであったりする、ということがあるわけです。

ですので、相手をお得意さんとして電話で話をしていたら、その取引の話の後に、「ところで例の入札の件だけど・・・」とかいって、競合している商品についての話を持ちかけられたりします。

その他にも、商品が品薄になってきたときに、販売店の間で商品を融通し合う、ということもあるかもしれません。この場合、販売店は、普段は競争する立場にあるわけですが、商品を融通し合う場面では取引先としての顔を持つことになるのです。

このように、競争業者が取引先でもある場合の情報交換については、とくに注意しないといけません。どうしても、「お得意さんでもあるから無下にできない」という気持ちがはたらくからです。

また、お得意さんとはある程度の「情報交換」をしないと、商売にならないでしょう。

例えば、お得意さんと価格交渉をするときには、お得意さん(買い手)は、売り手の原価を探ろうとするでしょう。

売り手も簡単に原価を教えてしまったりしては交渉にならないので教えないわけですが、買い手が売り手の原価を聞き出そうと試みたり、逆に売り手の方が「最近は材料費が値上がりして・・・」などといって値引きを渋ったりすること自体は、通常の価格交渉ですから、独禁法上何ら問題はありません。

ところが、相手方が競争業者兼得意先である場合には、得意先として交渉している時に得た情報を、今度は競争する場面で使えてしまったりする、ということが起こるかも知れません。

かといって、このような事態に対応するための特効薬というのもありません。

大きな会社であれば、原材料の調達部門と完成品の販売部門を分けて担当者を別々にしたり、両部門の間にファイアー・ウォールを敷いてこのような問題を避けることができるかもしれませんが、マンパワーの限られる中小規模の会社ではそれも難しいでしょう。

結局は、

「お得意さんであっても、競争業者としての立場に立つ場合には、通常の競争業者に対するのとまったく同様に、情報交換は慎まなければならない」

ということを、普段から従業員の方々に理解して頂くほかないと思われます。

でも、こういう問題があるということを予め意識するのとしないのとでは、問題発生の予防に大きな差が出るのではないかと考えます。

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