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2010年3月 3日 (水)

【閑話休題】複雑な条文の読み方

今日は独禁法とは関係のない話題をひとつ。

独禁法の条文も最近はどんどん複雑になってきて、初めて読むときにはかなり難儀します。

そこで線を引いたりマーカーで色を付けたりするのですが、複雑な条文だとマーカーだらけになってどこがポイントなのかが分からなくなってしまいがちです。

そこで私は、マーカーの塗り方にちょっと工夫をしています。

いろいろパターンはあるのですが、例えば、長い主語の条文のときには、主語の後の助詞の「は」や「が」をマーカーで塗ります。これで主語がどこまで続くのか一目瞭然です。英語の条文では主語がそんなに長いことは少ないのですが、同様にマークするとすればshallですね。

下に独禁法10条2項をマークしたものを載せてみました。こんなイメージです。

2010022217250000_2

う~ん、見にくいですね。4行目くらいのところの主語(10条2項の主語は株式取得会社です)の最後の「は」にマーカーがしてあるのがお分かりいただけますでしょうか。

その他のパターンとしては、「及び」とか「又は」とかの接続詞を塗ります。英語の条文ならandとかorです。これによって、何と何が対比・並列されているのかが視覚的に浮き上がってきます。

「括弧を飛ばして読む」というのはよく言われることですが、実務では括弧の中が大事だったりするので、括弧の最後の「を含む」とか「を除く」とか「に限る」にマーカーします。これで、括弧の中を読む前に、その部分が除かれるのか含まれるのかが直感的に分かります(英語の条文だとincludingとかexcludingが先に来るので、こういう悩みはむしろ少ないですね)。

その他には、条文の中に1号、2号・・・があるときには、だいたい柱書きに「次の各号に該当するとき・・」みたいな文言があるので、そこの「次」というのをマーカーで塗ります。というのは、こういう条文を見るときはまず各号を見てから柱書きを見るのですが、柱書きが長いと各号が結局何のことなのか、すぐに分かりづらいことがあるからです。

英語の条文のときには、否定のno, none, nothing (のうちの更に"no"だけ。thingは塗らない), unlessなどもマークです。長い条文だと、否定なのか肯定なのか途中で分からなくなるからです。これをやると読み返すときが楽です)。

他にも工夫の余地はあると思います。みなさんもぜひいろいろ試してみて下さい。

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