親子会社・兄弟会社間の三社合併と独禁法の届出
平成21年改正法ではグループ会社間の企業結合は全て届出不要となったので来年からは問題とならないのですが、現行法では以下のような場合届出を要するのか明らかでないという場合がありました。
ある会社(A社)の100%子会社2社(B社とC社)があり、C社の100%子会社(D社)があったとして、B社とD社を消滅会社、C社を存続会社とする3社間での吸収合併をするとします(なお届出の資産要件は満たすものとします)。
この場合、現行法15条2項の規定により届出免除となるのでしょうか。
まず、独禁法の届出が3社以上の合併をも念頭に置いていることは、15条2項で「他のいずれか一の会社に係る総資産合計額・・・」という表現を用いていることからも明らかです(「他の」会社が2以上ある場合を考えているからこそ、「他の会社に係る」といわず「他の会社のいずれか一の会社に係る」と言っているのです)。
15条2項1号は、親子会社間の合併について届出を免除するものです。
15条2項2号は、兄弟会社間の合併について届出を免除するものです。
では、本設例のように、兄弟会社間の合併(B社とC社)と親子会社間の合併(C社とD社)を同時に行う場合、届出は免除されるのでしょうか。
15条2項の文言を厳密に解釈すれば、B,C,D社3社の合併は、兄弟会社間の合併(B社とC社の合併)の要素があるため1号には該当せず、親子会社間の合併(C社とD社)の要素があるため2号にも該当しない、ということになりそうです。
しかし、これはあまりにも形式的な文言解釈というべきでしょう。本設例の場合は、1号と2号を合わせて読んで、届出免除になると解すべきです。
3社以上の合併を念頭に置きながら親子会社と兄弟会社間の3社同時合併の場合の届出を免除する明示の規定を置かなかったことは、厳しく言えば立法の不備ですが、平成21年改正でグループ会社間の合併は一律届出不要となったためこのようなことで悩まなくとも良くなったことは喜ぶべきことでしょう。
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