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2009年10月 2日 (金)

合併による株式取得

平成21年改正法とは直接関係ないのですが、よく質問されるので合併により株式を取得した場合の届出について書いておきます。

つまりこういう場合です。A社とB社は合併を計画しています。A社が存続会社となる予定です。消滅会社であるB社の資産に、b社株式があります。B社が所有するb社株式は、b社の発行済み株式総数の21%とします。

A社とB社が合併届出の資産規模要件を満たす場合、合併の届出をすることは誰でも思いつきます。では、それだけで良いのでしょうか。

実は、b社の株式をA社が本件合併により取得することについて、A社が株式取得の届出をする必要があります(b社の資産規模要件を満たすことが前提)。

企業結合の届出に関する公取規則2条(改正後は2条の6)にもb社の株式取得の届出を要することを前提とする規定があり、実際には、合併の届出書にb社株式の取得のことについても記載すれば、別途株式取得の届出は不要である、とされています。

A社もB社もb社の株式を少しずつ持っている場合には、b社に対する持株比率が上がることから、まだ独禁法上の届出について思いつきやすいのですが、上述のように、A社がb社株式をまったく保有していない場合にも届出を要することは見落としがちです。気をつけましょう。

文言解釈としては、株式の「取得」には、売買等の特定承継のみならず、合併等の一般承継も含むので、当然の解釈ではあります。

なお、以上のことが改正法でどのように変わるのかと言えば、合併届出書に株式取得のことも書けば別途株式取得の届出は不要であるという点は変わりません。変わるのは、改正前は株式取得は事後報告だったので、合併した後にb社株式について合併届出書に記載することを忘れいていたことに気づいた場合、b社株式を合併により取得したA社が取得から30日以内に事後報告をすれば事なきを得たのですが、改正後は株式取得も事前届出なので、合併が終わってから(=b社株式を取得してから)気がついても既に手遅れ、ということになります。

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